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スクールNEWS


 
   プロのダンサーを目指す生徒のためのバレエ・スクール──現在、小石川と恵比寿にスタジオを持つKバレエ スクールは、明確な目的意識の元に運営されている。
そのスタートは、Kバレエ カンパニー芸術監督、熊川哲也氏の「次世代の才能ある芸術家をひとりでも多く見出したい」という強い思い。2003年の開校以来、熊川氏のダンサーとしての経験に基づく独自のメソッドを基本に、高いレベルでの教育を実現するために、日々レッスンを行っている。
小石川のスタジオは、オーディション制を採用しているのが特徴。選ばれた生徒が、プロのダンサーを目指して、厳しいレッスンを受けている。一方恵比寿はプロを目指す生徒はもちろんのこと、情操教育としてのバレエまで、生徒のニーズに柔軟に対応している。恵比寿から、セレクション制により小石川への編入も可能、生徒の目的、習熟度によって幅広い対応がなされている点にも注目したい。

 
 
 

 

Kバレエ スクール主催の「サマー・スクール」では、毎年Kバレエ カンパニーのプリンシパル階級のダンサーたちが特別講師として指導にあたっている。昨年は、ゲスト・プリンシパルのヴィヴィアナ・デュランテさんを迎え、世界最高峰のプリマに直接指導を受けられる貴重な10日間に。この夏、英国ロイヤル・バレエ学校のサマー・スクールでも講師を務めたというデュランテさんは「私はロイヤル・バレエで素晴らしい先輩たちにとても多くのことを教わりました。私が教えてもらったことを若い人たちに伝えてゆくというのは、伝統を受け継いだ私たちの使命。それを今後も続けていくつもりです」。
(写真は、Upper上級クラスレッスンより。)
 
   
 
 
昨年の9月からレッスンを受け持つようになりました。「教える」からにはまず自分ができないといけませんから、自分自身のレッスンにおいても、「これは生徒に言ってることなんだから、自分自身もやらないと」と、より一層自分に厳しくなりました。
現在はupper上級クラスを教えています。このクラスがスクールの最上級になります。カンパニーに最も近いレベルにいなければならないクラスです。
レッスンでは、ポワント・ワークを重視しています。Kバレエはクラシックが主体のカンパニーですから、女性はポワントがきれいに踊れなければならないと思うからです。そしてスタミナをつけること。レッスンでの要求は、結構きついのではないかと思います。
癖をつけさせない、という点にも留意しています。特に手の癖は一度ついてしまうとなかなか直りません。
  生徒たちを見ていると、体型の面、環境面でとても恵まれているな、と感じますが、その分ハングリー精神に欠けるところはあるかもしれません。今はいろいろと情報もあふれていますし、ハングリーでいることが難しいのかもしれません。でも私のクラスのみんなは根性もあり、とても頑張っていますよ。
  彼女たちは今ちょうど体型が変わりやすい年代にいます。私自身も通ってきた道だからすごくよくわかるのですが、バレエダンサーなんだという自覚を持って日々の生活を送ってほしいと思います。健康的に、三食きちんと食事をとるように、ともアドバイスしています。
教師の資格試験を受けるため、三カ月間T.T.C.を受講しました。動きの意味や我流で覚えていたステップの名前などを改めて確認できたり、自分自身にとっても学ぶところや、気づくところがたくさんありました。プリンシパルとしての日々と勉強の両立は大変でしたが、授業ノートをすべて清書して、必死で勉強しました。
現役を退いてから教師になったのであれば、また違うのかもしれませんが、今は私自身も現役なので、彼女たちにとって難しいことをわかってあげられるのではないかな、と思います。ですので「なぜできないの?」とは言いません。「難しいのはわかる、でも頑張って!」という気持ちでいます。
生徒たちにはとにかく「踊りが好き」という気持ちを忘れないでいてほしい。実際にプロになっても、ならなくても、その素直な気持ちをずっと持ち続けてくれると、うれしいですね。そして視野を広くして、バレエだけではなくいろいろな視線で物事を見られるようになってくれればいいなと願っています。


 
 

校長を務める溝下司朗先生はスクール(小石川)の特徴を「学期ごとにアセスメント(テストクラス)を設け、生徒の習熟度やレベルをチェックしながら、次の段階に進むようにしている点にあると思います。また小石川では、オーディションで入学者を選抜しています。海外では当たり前のことですが、日本のバレエ教育の歴史の中では画期的なことではないでしょうか」と語る。
クラスは、Junior AssociateからUpper上級まで細かく分けられ、それぞれの段階での達成目標が明確に定められている。年齢・レベルごとにアンシェヌマンとして設定した教育メニューであるシラバスが体系化されており、生徒の年齢や段階に応じた決め細やかなプログラムが組まれている。「無理なことはさせません。音に対して敏感になるようなとてもいいシステムが出来上がっていると思います」。その内容には溝下先生も、太鼓判を押す。
Lower中級までは男女一緒だが、それ以降はBoysクラスが設置されている。「熊川は世界を変えたダンサーですから、少年たちは彼への憧れが強いんです」と先生。
先生が教えるBoysのレッスンでは、中学・高校生たちの熱気が渦巻く中、「もっとパワー!」「若さ!」と先生の激が飛ぶ。ダイナミックなジャンプや回転など男性ならではの技術が磨かれていく。
「基本クラスのほかに、キャラクターやマイムのクラスがあるのもとてもいいこと。プロのダンサーになったときに出てくるものが違います。うらやましいくらいですよ」

 教師陣の多くはKバレエ カンパニーで活躍している/いたダンサーだ。
「みんなテクニックがしっかりしていて、動けるので、生徒への伝わり方も早いんです。教師は全員が、スクール独自の『Teachers Training Course(T.T.C.)』という3カ月のカリキュラムを修了しています。現役プリンシパルである、荒井祐子、松岡梨絵なども教師としてレッスンをしてくれています」
いくつかのクラスを見学したが、どのクラスでも先生たちのテンションの高さに圧倒される。子供たちの集中力を高め、モチベーションを維持するためなのだろう。言葉のかけ方、注意の仕方にしても、生徒の年齢やクラスのレベルによって、先生たちがそれぞれに工夫を凝らしているのがよくわかる。
さて、気になるのは入学の基準。溝下校長にそっと教えていただいた。「笑顔の明るい子供がいいですね。幕が開いたとたんに気持ちから表に出せることは天性持って生まれた武器ですから」。自分ひとりでなんでもできるか、理解力があるか、といった点も考慮されるそうである。
スクールの修了後はKバレエ カンパニーに入団した者もいれば、国内の他のカンパニーに入団した者も。Kバレエのためだけではなく、広い意味でバレエダンサー育成に寄与している点も特筆されるべきだろう。ここから、次の世代のダンサーが巣立っていく。
溝下校長から生徒たちに贈られた言葉は、「楽しくスクールに通って、ますますバレエを好きになって欲しいし、ずっと好きでいて欲しい」。
厳しいレッスンの日々を支えるのはバレエへの強い愛にほかならない。

   
 

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