バレエに入門したばかりの人が最初につまずきがちなポイントは、フランス語中心の名称をどう覚えるかということです。足の5ポジション、腕のポジション、体の向き、そしてアラベスクやアチチュードなど代表的なポーズは、レッスンの合図そのもの。名前が分かれば動きが分かり、上達が加速します。本稿では、最新情報に基づき、初心者が最短距離で理解できる順序で名称を体系化。流派での呼び方の違いや暗記のコツも、図解発想でわかりやすく整理します。
スマホでも読みやすいように、要点を段落ごとにまとめました。
目次
バレエの基本ポーズの名前をまず整理
バレエの名称は大きく、足のポジション、腕のポジション、体の向きと配置、代表的な見せのポーズ、そして基礎エクササイズの動詞系に分かれます。最短で理解するには、名称を単体で覚えるより、足と腕、体の向きのセットで捉えることが重要です。例えば、第五ポジションに腕第一のように、足と腕を組み合わせ、クロワゼまたはエファセの体の向きを添えると、レッスンでの指示が一気に具体的になります。
名称はフランス語が基本で、日本語カタカナ表記には揺れがあります。クラスの先生が使う表記に合わせつつ、フランス語の語感で覚えると、異なる教本にも対応しやすくなります。
まずは頻出語のマッピングを頭に入れましょう。アンバーは腕を下に保つ準備位、アンナヴァンは前、アラセゴンドは横、アンオーは上。足は第一から第五の順でターンアウトの度合いと交差が増し、体の向きはアンファス正面、クロワゼ交差、エファセ開き、エカルテ斜めの広がりと整理します。
以下の表は、初回レッスンから出会う語の対訳を簡潔にまとめたものです。
| 日本語 | フランス語 | 概念 |
|---|---|---|
| 腕アンバー | bras bas / en bas | 腕を下に保つ準備位 |
| 腕第1 | 1re en avant | 腕を前に丸く |
| 腕第2 | 2de à la seconde | 腕を横へ |
| 腕第5 | 5e en haut | 腕を上に丸く |
| 足第1〜第5 | 1re〜5e | 足の並べ方と交差 |
| 正面 | en face | 客席に正対 |
| 交差 | croisé | 足の線が交差 |
| 開き | effacé | 足の線が開く |
用語の軸 フランス語を音で覚える
フランス語の名称は意味と音が一致すると記憶が安定します。例として、アラセゴンドは第二へという意味で、腕や脚が横方向に開くイメージと直結します。アンナヴァンは前へ、アンオーは上へ。ポーズ名も同様で、アラベスクはアラベスク模様のように伸びるシルエット、アチチュードは古典彫刻の姿勢に由来します。
意味を一緒に口に出しながら反復し、音と動きを同時に取り入れるのがコツです。
さらに、綴りのどこを強く読むかも動きの印象を助けます。クロワゼはロに軽い強勢、エファセはセで抜く、といった口唱法を自分なりに決めておくと、先生のカウントに素早く反応できます。
ノートにカタカナと簡単な日本語訳を併記して、1語1動作のカード化を目指しましょう。
初心者が先に覚える範囲
最初の1〜3カ月は、足の第1〜第5、腕のアンバー・第1・第2・第5、体の向きのアンファス、クロワゼ、エファセに集中すると効率的です。ここにアラベスクとアチチュードの輪郭、レティレとパッセの違いが加われば、センターワークで聞く指示の8割を理解できます。
複雑な番号付けや流派差が出やすい第三腕位や第四腕位の詳細は、基礎が固まってからで問題ありません。
レッスンでは、足と腕と向きがセットで呼ばれます。例えば、第五クロワゼ、腕第一のグランプリエのように、名詞の束として聞き取る練習をすると、指示が途切れても動き続けられます。
家練では鏡や壁を客席に見立て、向きを声に出して確認しましょう。
足の5ポジションの名称と正しい形

足の5ポジションは、あらゆるポーズとステップの土台です。第1はかかとを揃えてつま先を外へ開き、第2はかかと1足分離して横に開きます。第3は前後のかかとと土踏まずが重なる軽い交差、第4は前後に離した交差、第5はつま先とかかとを互いに合わせる最大の交差です。
どのポジションでも、膝とかかとは正面に向けず、股関節からアン・ドゥオール外旋することが前提になります。
初学者の大半は、足先だけを無理に開いて土踏まずを潰したり、膝が内に入る癖がつきます。重要なのは、ターンアウトは足先ではなく股関節からという原則です。足部の緊張を抜き、床を軽く押し広げる感覚で立つと、第五でも脚線が保てます。
第3は流派により使用頻度が低い場合がありますが、交差の感覚を理解する教材として価値があります。
第1から第5ポジションの名前と並び
名称は1re première、2de seconde、3e troisième、4e quatrième、5e cinquième。日本語では第1〜第5と表記されます。第4にはオーバートアンとクロワゼの位置関係の違いがあり、前脚が前に置かれるか、後脚が前に置かれるかで印象が変わります。
学び始めは第1と第2で骨盤の水平と股関節の外旋を安定させ、次に第5で交差のラインを作る順序が効果的です。
指先の向きは足の位置の結果として決まります。第1で90度を目標にするより、膝とつま先の方向が一致することを優先してください。第5では前脚のつま先とかかとが密着しますが、圧で潰さず、指先は長く伸ばします。
エクササイズ中は常にアーチを持ち上げ、重心は母趾球と小趾球、かかとの三点で支えます。
アン・ドゥオールと立ち方の注意
アン・ドゥオールは股関節から外旋し、太ももの内側が前を向く状態です。お腹と背中の引き上げが足の外旋を助けるため、体幹の支持が欠かせません。膝を伸ばす時は膝裏だけで固めず、腿前後と内転筋をバランス良く使います。
重心はつま先に流さず、土踏まずを持ち上げて床を感じること。これがポーズの安定に直結します。
練習では、壁に背を向け第1で立ち、骨盤が壁から離れない範囲で外旋角度を探ると安全です。第5では、前後の脚の付け根が均等に外旋しているか鏡で確認し、膝が交差の内側へ折れないよう注意します。
無理な角度は怪我の原因になります。可動域は徐々に増えますので、痛みのない範囲で習得しましょう。
腕と上半身の基本ポジションの名前

腕のポジションは、アンバー en bas、第一 en avant、第二 à la seconde、第三、第四、第五 en haut で表されます。第三と第四は流派で定義が異なるため、先生の指示に合わせて整理すると良いでしょう。上半身はポールドブラ port de bras で腕の通り道を学び、エポールマン épaulement で肩と頭の位置関係を整えます。
腕の丸みは肋骨のカーブをなぞるように保ち、肩は下げ、首筋を長く保つのが基本です。
アンバーは指先が太腿付近ではなく、骨盤前で楕円をつくるイメージ。第一は胸前で楕円、第二は肩の高さで横に伸ばし、肘はわずかに下向き。第五は頭上で楕円を保ちます。
上半身は常に引き上げ、腰を反らせず、みぞおちから腕を運ぶ感覚がポーズの美しさを決めます。
アンバーから第五までの名称と形
アンバー en bas は準備位。指先は触れ合うか触れ合わないかの距離で柔らかく、胸を潰さずに前空間を感じます。第一 en avant は胸前で楕円を作り、指先は中心線から少し離します。第二 à la seconde は横で、手の平はわずかに前。第五 en haut は頭上で楕円を保ち、脇から持ち上げる意識を強く。
第三と第四は、片腕が第一もしくは第五、もう一方が第二になる配置が基本です。
形だけでなく重さの流れが重要です。腕は肩からではなく背中の広がりから支え、鎖骨のラインを保ったまま動かします。肘が落ちるとラインが切れ、肩が上がると首が詰まります。
鏡を使う際は顔だけでなく背中の翼状筋の活動を感じ取り、腕と上半身が一体となる練習をしましょう。
ポールドブラとエポールマンの名前と使い方
ポールドブラは腕の通し方の総称で、第一のポールドブラ、第二のポールドブラなど教本ごとに系列があります。重要なのは、腕だけで動かさず、肋骨の上の空間が移動する意識を持つこと。これにより、アダージオでも安定した重心移動ができます。
エポールマンは肩の扱い。首を長く保ち、視線と頭の角度で音楽性と方向性を明確にします。
例えば、クロワゼでは背中側の肩が客席にやや出て、視線は前脚の先。エファセでは胸が開き、顔も開放方向へ。名称に対して、肩や頭の演技指示が併記されることが多く、覚えるとポーズの格が上がります。
腕のポジションと連動させ、ポーズ名を聞いた瞬間にエポールマンまでセットで出せるようにしましょう。
体の向きの名称と舞台上の方向 クロワゼ・エファセなど
舞台上の向きは、観客客席を基準にします。アンファス en face は正面、クロワゼ croisé は脚の線が観客から見て交差、エファセ effacé は開いて見える配置、エカルテ écarté は斜め方向に開く構えです。これらはポーズの名前に付いて、デヴァン devant 前、デリエール derrière 後ろと組み合わされます。
向きが明確だと、同じ脚上げでも見え方が一変し、写真映えも舞台映えも大きく向上します。
レッスンでは、第五クロワゼ ドゥヴァンやエカルテ ドゥヴァンのように、足の位置と方向が同時に呼ばれます。前脚後脚の関係、骨盤と胸の開き、頭の角度を素早く整える練習が必要です。
体のコンパスを持つために、スタジオの壁を東西南北に見立てて、方向転換の反復を取り入れると定着が早くなります。
アンファスと客席基準の考え方
アンファスは客席に正対。足が第一でも第五でも、胸骨と骨盤が客席正面に向きます。ここを原点に、斜め45度の前と後ろを設定し、クロワゼとエファセを区別します。
向きは鏡ではなく、実際の客席を想定した空間認識で行うのがコツ。視線と頭の角度が1〜2度変わるだけでも、舞台上の印象は大きく違います。
練習では、バーを離れたセンターで四隅に向かって第5で立ち、体の向きと腕の第一をセットで確認します。足の置き換えに気を取られると胸がついてこないため、先に上半身の向きを決め、足はあとから正確に。
この順序が、動きながらの方向転換の成功率を高めます。
クロワゼとエファセ、エカルテの違い
クロワゼは脚の線が交差して見える配置で、前の脚が体の中心線を横切るため、シャープでドラマチックな印象になります。エファセは脚の線が開いて見え、胸の空間が広がるため、明るく伸びやかな印象。エカルテは斜めの広がりがあり、腕上体の使い方でダイナミックに見せられます。
それぞれにデヴァン前とデリエール後ろがあり、名称が増えても原理は同じです。
名前を短縮して、クロワゼ ドゥヴァン、エファセ デリエール、エカルテ ドゥヴァンなどと呼びます。頭と視線は、前脚の延長線や開く方向に設定されることが多く、先生のスタイルで微差があります。
自分のメモでは、CD、ED、ETDのように略語化すると、レッスン記録が簡潔になります。
代表的なポーズの名前 アラベスク・アチチュードほか

見せのポーズでは、アラベスク arabesque とアチチュード attitude が頻出です。アラベスクは支持脚に対して後脚を伸ばし、上体と腕で長い対角線をつくるポーズ。アチチュードは脚を曲げて支える彫刻的なポーズで、前ドゥヴァンと後ろデリエールの2系統があります。
また、レティレ retiré とパッセ passé は混同されがちですが、レティレは位置、パッセは通過動作という違いを押さえます。
名前を覚える際は、どの脚が支持脚か、上げる脚の方向が前か横か後ろか、腕の組み合わせと体の向きが何かの4点を同時にメモするのが効果的です。
このセット化で、音楽が変わってもポーズの核が揺れません。
アラベスクの種類と名称
アラベスクには流派ごとの番号付けがありますが、共通要素は、後脚を伸ばし、骨盤を水平に保ちながら上体で対角線を描くことです。腕は前後に広げる配置が基本で、前腕が低めか高めか、視線の方向などでバリエーションが生まれます。
名称としては、クロワゼやエファセと組み合わせ、アラベスク クロワゼ、アラベスク エファセなどと呼ばれることが多いです。
練習では、支持脚の股関節を強く外旋し、後脚の付け根を遠くへ送ること。腰椎で反らず、みぞおちから前に伸びて上体のラインを作ります。肩は下げ、首筋は長く。
写真で見る美しさは後脚の高さだけでなく、足の甲のラインと指先までの連続性が決め手です。
アチチュードとレティレ・パッセの理解
アチチュードは膝を曲げて持ち上げるポーズで、前ドゥヴァンは腹側に、後ろデリエールは背側に膝を向けます。膝の位置は腰よりやや高めを目標とし、足先はアン・ドゥオールを保って外へ回します。骨盤は傾けず、支持脚で床を押し続けることが安定の鍵です。
腕は第一や第五と組み合わせ、頭と視線で方向性を明確にします。
レティレは、爪先が支持脚の膝に置かれる位置の名称で、パッセは通過動作。ピルエットでパッセと呼ぶのは、通過し続けるからです。名称の違いを理解しておくと、先生の訂正の意図が正確に掴めます。
ノートには、Rtir 位置、Ps 通過など自分用の略号を作ると便利です。
まとめ
名称はバレエの共通言語です。足の第1〜第5、腕のアンバーから第五、体の向きのアンファス・クロワゼ・エファセ・エカルテを核に、アラベスクとアチチュード、レティレとパッセをセットで押さえれば、レッスンの理解度が大きく上がります。
覚え方は、意味と音を結び、足・腕・向きの三点セットでノート化すること。流派差はありますが、原理は同じです。
仕上げとして、以下のポイントを日々確認してください。
- 足は股関節から外旋し、三点支持で立つ
- 腕は背中で支え、肩を下げて楕円のカーブを保つ
- 体の向きは客席基準で、視線と頭の角度まで決める
- ポーズは支持脚の強さと呼吸で見栄えが決まる
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