イタリアンフェッテは、コーダで観客の目を奪う高度な回転技。脚を高く保ったまま回り続けるため、通常のフェッテ以上にアラインメントと筋力、そしてタイミングの精度が求められます。
本記事では、基礎から段階的な練習法、回転を成功させるコツ、よくあるミスの修正、シューズ別の注意点までを体系的に解説します。
バーからセンターへ、4回から8回、そして舞台仕様へと無理なく伸ばせる練習メニューも提案します。最新情報です。
目次
バレエのイタリアンフェッテのやり方とコツを徹底解説
イタリアンフェッテは、働脚を高いデヴェロッペアラセゴンドから素早いフエッテ動作でアティテュードデヴァンに通し、再びアラセゴンドへ開いて連続回転するテクニックです。
軸脚は強い引き上げで安定させ、骨盤を水平に保ったまま、上半身は最小限のポールドブラでコントロールします。通常のフェッテより脚の可動域と内転筋の保持、股関節の分離可動が強く求められる点が特徴です。
成功の鍵は、脚を上げる力ではなく、脚を保つ力と骨盤の安定、そしてスポットと音楽カウントの一致にあります。
回転は腕で起こすのではなく、軸脚の内旋外旋の切り替えと体幹の反応で生むイメージを持つと、ぶれない回転に近づきます。下で比較表を示します。
| 項目 | イタリアンフェッテ | 通常のフェッテ |
|---|---|---|
| 脚の軌道 | アラセゴンド90度以上からアティテュードデヴァンを通過 | デヴァンとアラセゴンドをパッセで素早く往復 |
| 上下動 | できる限り一定のルルヴェを保持 | プリエとルルヴェの上下差が比較的大きい |
| 推進の主役 | 軸脚の引き上げと骨盤の水平維持 | 腕の調整とプリエの反動 |
| 難易度 | 高い可動域と保持力が必要 | 連続回転のリズムに比重 |
| よく使う場面 | グランパキータなどのコーダ | 多くのクラシックのコーダ |
イタリアンフェッテとは何か
イタリアンフェッテは、フエッテの派生で、働脚を高く開いた状態を維持しながら回る高度な連続技です。
エカルテやクロワゼの方向で見せることが多く、片足でのルルヴェを長く保つため、足部のスタビリティと体幹の等尺性保持が欠かせません。脚は上げるより保つを優先し、股関節の分離可動で骨盤を固定したまま脚だけを鞭のように扱うと安定します。
通常のフェッテとの違い
通常のフェッテはプリエとルルヴェの切り替えが明確で、腕の開閉で回転量を調整します。対してイタリアンフェッテは、アラセゴンドのデヴェロッペを長く保ち、アティテュードデヴァンを経由して再び開くため、内転筋と腸腰筋の持久力が勝負です。
回転の推進源も異なり、腕の振りを抑えて軸脚のねじり戻しで精度を上げるのが要点です。
正確なアラインメントと準備

高い脚を保ったまま回るには、土台が揺れては成立しません。骨盤の水平、みぞおちを上に伸ばす引き上げ、肋骨の締まり、そして後頭部が天井へ伸びる縦のラインを整えることが出発点です。
床を押す軸足と、天井へ伸びる上半身の両方向の張力を作ると、足先の細かなぐらつきが激減します。準備段階でこれを体に入れてから、回転へ移行しましょう。
また、股関節の前面が詰まると脚が上がりにくく骨盤も傾きます。深呼吸で腹圧を整え、坐骨を斜め下に向けるイメージで中立を作ると、デヴェロッペが軽くなります。
足部は母趾球と小趾球、かかとの三点で床を捉え、内側縦アーチをつぶさないことが重要です。
骨盤と体幹のセット
骨盤は左右の腸骨稜を水平に保ち、みぞおちを骨盤から持ち上げる感覚で引き上げます。
肋骨は閉じ、下腹部を薄く保ちながら背中の広がりで腕を支えると、上半身が固まりすぎず流動性を持てます。回転時はみぞおちから上だけがわずかに先行し、骨盤は踊りの正面に対してニュートラルを保つ意識を持つと、脚を開いても腰が落ちません。
軸脚と足のスタビリティ
軸脚は内旋外旋を微調整して真上に立ちます。母趾球を強く押しすぎず、拇趾と二趾の間でプラットフォームを作ると安定します。
足関節は反張せず、距骨がまっすぐ上に乗る感覚。膝はロックせず伸ばし続け、内転筋とハムストリングで太腿を吸い上げます。足趾は床を掴まずに長く保ち、甲は甲だけで作らず脛を前に伸ばす意識を持ちます。
イタリアンフェッテのやり方を段階練習で身につける

いきなり連続で回らず、バーで可動域と保持、センターで分解、最後に連続へという順序が効果的です。
特に、アラセゴンド90度以上で3秒保持、アティテュードデヴァンで3秒保持を交互に繰り返す保持ドリルは、必要筋の持久力を養成します。さらに1/4回転ずつ増やす段階的アプローチで恐怖心を減らし、軸の迷子を防ぎます。
カウントは and 1 でアラセゴンドに開き、2 でアティテュードデヴァンを通って回転、and で再びアラセゴンドへ開く基本パターンを反復。
曲のテンポに合わせてテンポアップする前に、メトロノーム的に均一なカウントで習得すると安定が増します。
バーの分解ドリル
バレエバーを片手に、デヴェロッペアラセゴンド90度保持3秒、アティテュードデヴァン保持3秒を各8回。骨盤の水平と軸の引き上げを優先し、つま先は常に最長へ伸ばします。
次に、足先だけでなく腿の付け根から軌道を描くよう、内転筋で脚を引き入れ、腸腰筋で前に運ぶ練習を行います。最後に1/4回転、1/2回転と増やし、スポットは目線→バー端→正面の順に練習します。
センターの実践ステップ
5番からプレパレーション、and 1 でデヴェロッペアラセゴンドへ。2 でアティテュードデヴァンに通しながらエンデオールの回転を起点にし、and で再びアラセゴンドへ開いて次の 1 に備えます。
腕はセゴンドから軽い1番近くへ集めてトルクを作り、開くのは回転が止まる前。軸脚はルルヴェの高さを一定に保ち、上下動を最小限に。4回を1セットとして休息、慣れたら左右各2セット、最大でも8回程度を目安に質を落とさず行います。
回転を成功させるコツと練習メニュー
コツの核心は、タイミング、スポット、腕脚の協調の三位一体です。回転は 1 の直前にためを作らず、and の微細な時間に準備を完了し、1 で脚が最も伸びた瞬間に軸が最長に伸びること。
スポットは首先行で素早く戻し、腕は開閉の振り幅を最小限にして、体幹のねじり戻しと同期させます。練習メニューは短いセットで質を担保しながら漸進させます。
以下のチェックボックスを参考に、毎回の練習で品質を評価しましょう。
反復量より再現性が向上する設定にします。疲労でフォームが崩れたら即終了し、翌日に回す判断が怪我の予防につながります。
- and で準備、1 で最長の引き上げができたか
- スポットは首から先に返し、視線の戻りが早すぎないか
- アラセゴンドの高さが回数を追って落ちていないか
- 腕の振り幅は小さく、胸郭が開きすぎていないか
- 軸足の母趾球と小趾球、かかとが均等に働いているか
数え方・スポット・腕脚の協調
カウントは and 1 and 2 の二拍単位が基本です。and で集め、1 で伸び、and で開く。スポットは顔だけでなく頸椎ごと素早く返し、目線は必ず同じ目印を取ります。
腕はセゴンドから胸前へ近づけてトルクを作り、脚は内転筋で引き入れ腸腰筋で前へ出す分業。腕脚は逆相で動かし、体幹の捻り戻しと同時に回転のピークが来るよう同期させると、無駄が消えます。
シューズ別の注意と安全管理
フラットやバレエシューズでは、かかとが落ちやすいので内側縦アーチを保つ感覚を養いやすい利点があります。ポアントではプラットフォームの中央に第2中足骨を乗せる意識で、外くるぶし側に体重が逃げないようにします。
安全管理として、股関節前面のストレッチ、内転筋の軽いアクティベーション、腓腹筋のアイソメトリック保持を準備に入れ、連続回転は疲労が溜まる前に切り上げます。
まとめ

イタリアンフェッテは、高いアラセゴンドの保持、骨盤の水平、軸脚の引き上げ、そして的確なタイミングが噛み合って初めて美しく成立します。
バーでの保持と分解、センターでの段階的組み立て、短い高品質セットの反復で、無理なく8回以上へと拡張できます。フォームが崩れる前に止める勇気と、日々の小さな改善の積み重ねが舞台の成功を引き寄せます。
今日のチェックリスト
骨盤は水平か、アラセゴンドの高さは維持できたか、スポットはぶれなかったか、腕の振り幅は最小か、軸脚のプラットフォームは中央に乗っているかを自主チェックしましょう。
練習の最後に鏡や動画で1つだけ改善点を選び、翌日の最優先課題にします。課題を1つに絞ると、上達曲線がなめらかに上がります。
1週間の練習プラン例
月木はバー保持と分解ドリル各15分、センターで4回×2セット。火金はセンターで6回に挑戦、ポアント日は本数半分。水は可動域と筋トレ、土は通し稽古、日は完全休養か軽いストレッチに充てます。
各セッションの終わりに内転筋と腸腰筋の軽いリリース、ふくらはぎのアイソメトリックで仕上げると、次回の再現性が高まります。
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